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Gabriel Hounds
Gabriel Ratchets
和名 ゲイブリエル・ハウンド/ガブリエルの猟犬の群れ/ガブリエル・ラチェット
地域 イングランド北部
解説1 妖犬。ウイッシュ・ハウンドと似ているが、これは空高く飛ぶ所が違っている。
彼らの声が聞こえると、死の前兆とされる。洗礼を受けないで死んだ子供の魂だといわれる。
解説2 ガブリエル・ハウンドは、[ウィシュト・ハウンド] に似ているが、嵐の夜に空高く駆け回り、 頭上で吼えるという点でだけ異なっている。
その吼え声が聞こえると、死の前ぶれとなる。
洗礼を受けずに死に、成仏できない子供達の魂だと言われる。
Galley-Beggar 和名 ガリー・ベガ−
地域 サマセット
解説 首の無い幽霊。
Gally-Trot
Garry-Trot
和名 ガリー・トロット
地域 北部地方およびサフォーク
解説 子牛程もある大きな白い犬。逃げる人を追い掛ける。
Ganconer
Gean-cannah
The Love Talker
和名 ガンコナー/言い寄り魔/恋を語る人(ラヴ・トーカー)
地域 アイルランド
解説1 妖精の一種。パイプをくわえた美しい若者の姿で人里はなれた谷間にあらわれ、乙女に言い寄る。
乙女は、姿を消した男に恋いこがれて死ぬ。イェイッが引用している話では、普通の妖精のように見える。
解説2 [恋を語る人] は、口にパイプをくわえ、もの淋しい谷あいをそぞろ歩いては、若い娘に言い寄る。
その娘はのちに、彼の事を恋い焦がれて死んでしまう。
「アイルランドの妖精譚と民話」に収録されている話では、ガンコナー達は、 普通の [群をなす妖精達(トルーピング・フェアリーズ)] と全く同じ様に多勢で現れ、湖の底の町に住み、ボールを投げて遊び、 人間の牛を盗んでは、その後に丸太を残していく。
Gentle Annie 和名 やさしいアニー/ジェントル・アニー/穏やかアニー
地域 スコットランドのクロマーティー峡湾
解説1 嵐を起こし支配する妖精。見かけはやさしく、話しかたも穏やかだが、実は人をだます邪悪な性格。
解説2 嵐を起こし、それを意のままに操る妖婆(ハグ)。
見かけや言葉使いは穏やかであるが、本性は変わりやすく邪悪である。
Gentry 和名 ジェントリー/紳士方
地域 アイルランド
解説 アイルランドにおける妖精にたいする丁寧な呼び方。
スコットランド高地地方で「平和の人々」の同義語。
妖精を本当の名で呼ぶことは、不幸を招くといわれる。
Ghillie Dhu 和名 ギリー・ドゥー/黒い召使い(ブラック・サーヴァント)
地域 高地地方
解説1 おとなしい山の精。子供に親切だが、人には近づかず用心深い。
木の葉と緑のこけを身にまとっている。
解説2 気性の穏やかな「一人暮らしの妖精」。道に迷った子供を見つけては、家に連れて帰る。
いつも格子縞(タータン)の服を着ている。
Glaistig 和名 グレイスティグ/グラシュティグ
地域 高地地方
解説1 上半身は女、下半身は山羊の姿の妖精。
たいていは人間に敵意を持ち、危害を加えようとするが、ブラウニ−のように手伝いをする事もある。
しばしば水の精とされる。キャンベルは、フーアの部類にいれている。
解説2 女の妖精で、一般に半ば女性で半ば山羊であるが、ときには緑の服を着た、 小柄でがっしりした女として描かれる。
さまざまな性格が混じっている妖精で、事実、あらゆる妖精が少しずつそこに伺える。
子供好きで、家畜の守護者と思われている。
器に入った牛乳が出されていると、その家で [ブラウニー] の様な仕事をする。
とくに老人や気の弱い人に対して親切である。
ところが一方では、険悪な性質を見せ、旅人を道に迷わせて殺してしまったという話が残っている。
もし旅人が自分の持っている武器の名前をはっきり言ってしまうと、それを無力にされてしまうが、 どのような武器かを言わなければ、旅人は勝つ事ができる。
グラシュティグは、ある面では水の精の様に見える。
流れのほとりに腰をおろしている姿をしばしば見かけるが、向こう岸へ抱いていってくれと頼むのが常である。
捕まえたなら、何か [ケルピー] の様な仕事をさせることができる。
Glashtyn 和名 グラシュティン
地域 マン島
解説1 炉端のロブと魔性のフーアの中間で、海に棲む馬。
人を海に引きずり込んで、えじきにしようとする話が伝わっている。
解説2 マン島の妖精で、[ロブ・リ・バイ・ザ・ファイアー] に似たものであるが、それよりいっそう不吉である。
この妖精の事として、少女の膝で眠る [フーア] の話と、[エインセル] 系の話とが伝えられているからである。
Gnomes 和名 ノーム
地域 ---
解説 新プラトン主義者によれば、大地の精霊であるが、民間伝承でわ、地中に住む小人とされている。
ウェンツは幻視能力のある人がノームを見たことを記録している。
Goblins 和名 ゴブリン
地域 ---
解説 いたずら好きで邪悪な妖精。たいていは小さくて、グロテスクな姿をしている。
「ホブ」がついた「ホブゴブリン」は、いたずら好きではあるが、人間を助ける親切な妖精。
Gooseberry Wife 和名 グースベリーワイフ/グースベリー女房/マルスグリの女房
地域 ワイト島
解説 大きな毛虫の姿をしており、まだ青いグースベリー(マルスグリ)の実を守るボギー。
Grant 和名 グラント/幽馬
地域 中世のイングランド
解説1 ゴブリンの一種。若い馬のような姿だが、後ろ足で歩き、らんらんと光る目をしている。
死の前兆とされた。
解説2 ジラルダス・キャンブレンシスが記述している魔物(デーモン)で、[ピックトリー・ブラック] に非常に よく似通っている。
形は一歳の子馬位で、後ろ足で立って歩み、炎の様な目をしている。
これは街に現れる妖精で、昼日中か日暮れ直後に、通りの真ん中を駆け抜けるので、犬という犬が吼えながら走り出てくる。
この妖精の出現は危険の警告である。
この妖精は、ベーオウルフに殺されたグレンデルと結びつけて考えられているが、グレンデルの方は、海に住む怪物である。
Greenies 和名 グリーニー
地域 ランカシャー
解説 バウカーによれば妖精のこと。緑色の服を着ている。
Greensleeves 和名 グリーンスリーヴ
地域 アバディーンシャー
解説 妖精の魔法使いの名。
Gremlins 和名 グレムリン
地域 ---
解説 空飛ぶ [ボガート] の集団。
この名称は、「嘆き悲しむ(グリーヴ)」という意味のアングロ=サクソン語の gremian から由来したとか、 あるいはベーオウルフに殺された怪物、グレンデルと遠い関係があるとか言われる。
Grig 和名 グリッグ
地域 西部地方
解説 小さな妖精。「グリッグの様に陽気に」という慣用句は「とても陽気に」と言う意味。
Grim 和名 グリム
地域 イングランド
解説 「ロビン・グッドフェローの一生」(1628年)のなかの妖精グリム、 各地に見られる「グリムの土手」と呼ばれる土手道「教会のグリム」などにグリムの名が使われている。
Grindylow 和名 グリンディロー
地域 ヨークシャー
解説 水にひそむ魔物で、子供を水底に引き込む。悪意のある水の魔物(デーモン)。
Grogan 和名 グローガン
地域 北アイルランドのアルスター地方
解説 [ブラウニ−] の一種。Gruagach「グルアガッハ」と近い関係がある。
Gruagach 和名 グルアガッハ/グルアガッホ
地域 高地地方
解説1 金髪を長く垂らした女の妖精。
しばしばびしょ濡れになって人間の家に訪れ、暖炉で身体を乾かせてほしいと頼む。
グルアガッハの訪問は、幸運をもたらす。ときには男のグルアガッハもいる。
解説2 長く美しい髪をした妖精で、よくずぶ濡れになって家々の戸口を訪れ、雨宿りをさせてくれと頼む。
彼女が来るのはその家に幸運なことである。
男のグルアガッホも知られている。
ビーバーの毛皮帽子をかぶり、細い杖を持ち歩いている。
時折 [ブラウニー] と同じ様に役に立つが、同時にいたずら者である。
キャンブルは、スキップネス城に出没したこの妖精について記述している。
Gull 和名 ガル
地域 イングランド
解説 「ロビン・グッドフェローの一生」の中のエルフの名。ジャベズ・アライズが言及している。
他の伝承には出てこないので、エルフの行動を示す(人をかつぐの意)名とも考えられる。
Gunna 和名 グーナ/グンナ
地域 高地地方
解説1 妖精の国から追放された妖精の若者。狐の皮をまとっている。
解説2 「一人暮らしの妖精」で、素肌に狐の毛皮を着ており、羊の群の番をする。
Gwrach y Rhibyn 和名 グーラッハ・イ・ライビン/グラルホ・ア・リィービン
地域 ウェールズ
解説 ウェールズのバンシー。
Gwragedd Annwn
Gwraig
和名 グウラゲス・アヌウン/グラゲッズ・アンヌーン/グウレイグ
地域 ウェールズ
解説1 湖の中住む水の乙女たち。
美しくて、人魚やドイツの水の精ニクスのように危険な性格では無い。しばしば人間の男と結婚した。
解説2 湖水に住む乙女で、マロニーの [湖の妖精] に似ていない事もない。
美しく、[人魚(マーメイド)] や [ニクシー] 程には危険ではない。しばしば人間と結婚する。
Gwydion 和名 グウィディオン
地域 北ウェールズ
解説 魔術に長けた妖精王。
Gwyllion 和名 グウィヒヨン/グウィシオン
地域 ウェールズ
解説1 丘に住む女の妖精。たいては悪意を持ち、危害を加える。
山羊と親しい関係にある。民家に入ってくる事もあるが、その時は丁重にもてなさなければならない。
解説2 ウェールズの丘の妖精。概して非常に不気味で邪悪である。
最もよく知られているもののひとつに、[山の老婆(オールド・ウーマン・オブ・ザ・マウンテン] がいるが、 これは夜歩く人を道に迷わせる。
ナイフがあれば、身を守る事ができる。グウィシオンは山羊の親しい友達である。
しばしば人間の家にやってくるが、その時には、手厚くもてなさなければならない。
さもないと、その家の主人は、災害を被ることになる。
Gwynn ap nudd
Gwyn ap nudd
和名 グウィン・アプ・ニーズ
地域 ウェールズ
解説 地下に住む妖精の王。ウェールズの妖精の王の名。
Gyl Burnt Tayle 和名 尻尾に火がついたジル
地域 ---
解説 鬼火の名(女性)。
Gyre Carling 和名 ガイヤ・カーリン/ゲア・カーリング
地域 スコットランド
解説 ファイフの妖精の女王の名。

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